新型コロナウイルスの感染が拡大する中、長崎県内の神社では初詣の感染予防対策が進められている。
消毒液の設置をはじめ、拝殿の鈴や清めに使うひしゃくを撤去したり、正月の縁起物の販売を前倒しにしたりするなど接触と密を避ける知恵を絞っている。
三が日に例年約20万人が訪れる長崎市上西山町の諏訪神社。例年は12月31日に始める干支置物や破魔矢など縁起物の販売を、今年は12月1日に早めた。外出を自粛して正月に参拝できない人が購入できるようにした。
既に買い求める人の姿があり、参拝者の分散につながっている。
同市出身で県外から出張で来た会社役員の男性(60)は熊手を購入し「毎年、諏訪神社で正月の縁起物を買うが、コロナで正月の帰省ができない。
既に販売していることをネットで知り、入手できてよかった」と話した。
身を清めるための手水舎は11月から水をためず、ひしゃくも撤去した。水道管をつなげ、竹筒から水が流れるよう加工した。
巫女(みこ)と参拝者の間隔を確保するため、例年20種類ほどあったおみくじは、15種類前後に減らす。祈願の待合所には体温が分かるモニターを設け、拝殿の中に入る人数も最大60人に制限する。
宮田文嗣禰宜(ねぎ)は「1年間の感謝と決意を持ってお参りする初詣。
できる限りの対策をするので、参拝者も体調管理やマスク着用の上で、万全な体調でお参りを」と呼び掛ける。
正月に8万~9万人が訪れる雲仙市千々石町の橘神社は、年内に参拝を済ませて縁起物を取り換える「幸先詣(さいさきもうで)」を呼び掛け、12月10日から破魔矢や熊手、限定の御朱印などの授与を始めた。
拝殿の鈴と鈴緒は4月下旬に撤去。新春コンサートなどは中止し、元日のぜんざいの振る舞いも取りやめる。
大村市三城町の富松神社では、事前に電話をすれば年内に縁起物を受け取れるようにしている。
長崎市住吉町の住吉神社では、参道にテープで目印を付け、間隔を確保してもらうよう誘導する予定。
また、路面電車を運行する長崎電気軌道(長崎市)は新型コロナをきっかけに、12月31日深夜から1月1日未明にかけての「初詣電車」を今回から運行しないことを決めた。
2000年から運行していたが、近年は利用者が減少していた。
引用元:長崎新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc0748598c3536f0dc834e970884b072fffe4c15