奈良・春日大社、混雑を避けるため異例の「正月」対策

世界遺産の春日大社(奈良県奈良市)で始まった、異例の1カ月前倒しで正月の縁起物授与。

地元の人々らが「幸先詣」として、ひと足早く福を求めて参拝している。

例年、正月三が日には約50万人もの参拝者が訪れる同社。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況から、初詣の混雑による密状態を緩和するために、縁起物である破魔矢・干支一刀彫・干支土鈴・干支絵馬の授与が12月1日から実施されている。

広報の秋田真吾さんは、「長い歴史のなかでも極めて異例で、初めてのことです」と説明。

また、初詣は大晦日から松の内(1月7日、関西地方では1月15日)までと一般的に知られているが、「密を避け、混雑を避けて、今年に限っては2月上旬までにお参りにお越しください」と呼びかけをおこなっている。

テレビで知ったという奈良市在住の泉谷さん夫婦(60代)は、「毎年、干支一刀彫を買っているけど、個数制限があって品切れの年もあったので、早めに来ました。これで安心して新年を迎えることができます」と話す。

同社はすでに、授与所に消毒液の設置や、手水も柄杓(ひしゃく)から流水に切り替えるなどの対応をおこない、1月中の間は御朱印も書き置きにし、お神酒の振る舞いも中止。

そのほかにも、毎年大晦日から正月にかけ大混雑する表参道を同社ガードマンと地元警察が協力し、例年より更にソーシャルディスタンスを意識した「分断入場」をおこなうという。

また、疫病退散祈願としては、ピカチュウをデザインしたグラフィックデザイナー・にしだあつこさんによる春日大社オリジナルのアマビエ「はるちゃん」と白鹿「はくちゃん」のイラストが描かれた絵馬(1000円)の授与や、8月15日の「中元疫神祭」前後で授与される護符『疫神斎符(えきじんさいふ)』(1000円)の授与期間を新型コロナ終息までと延長しており、それらを2021年に向けて求める参拝者の姿も見受けられた。

 

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