みこしの代わりに祭神の御霊を入れた厨子を持って渡御をする九鬼家隆宮司(中央)ら=15日、和歌山県田辺市本宮町で
和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社で15日、例大祭(13~15日)の渡御祭などが営まれた。
新型コロナウイルスの影響で、規模を大幅に縮小した渡御の行列は、人の密集を防ぐためにみこしを中止。
代わりに九鬼家隆宮司(63)が祭神の御霊(みたま)を入れた厨子(ずし)を持って渡御した。
例大祭は感染拡大防止のため、すべての祭典について一般の参列は自粛を要請。神職や神社役員らのみで執り行った。
この日は午前9時から、最も重要な祭典「本殿祭」が大社本殿前であり、約20人が参列。九鬼宮司が新型コロナウイルス終息の願いを込めた祝詞を奏上した。
午後1時から営まれた渡御祭は例年、祭神の御霊を移したみこしを中心に約400人の華やかな行列が本宮大社を出発し、真名井社を経て旧社地・大斎原(おおゆのはら)に到着するが、今年は関係者約40人で実施した。
例大祭を彩る菊を模した造花「挑花(ちょうばな)」を持つ氏子たちに囲まれながら、九鬼宮司が厨子を慎重に持ち抱え、本宮の町を練り歩いた。
大斎原では斎庭神事や修験者による護摩祈祷(きとう)を営み、その後に大社に戻った。
九鬼宮司は「新型コロナウイルスによって国難といえる状況にあり、一刻も早い終息を祈って例大祭を執り行った。
来年こそは、皆さんでにぎやかに力強い祭りを営むことができれば」と話した。
引用元:紀伊民報
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200416-00002704-agara-l30