
2町が参加できず、曳山6基で実施された曳揃え=昨年5月、小松市の細工町交差点
5月15日に小松市で開幕する「お旅まつり」のメイン行事「曳山曳揃(ひきやまひきぞろ)え」で、今年も全8基がそろわず、昨年に続けて6基で実施される見通しであることが30日、関係者への取材で分かった。
曳山を持つ8町のうち2町が少子高齢化などによる担い手不足で参加を断念する方向だ。
新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中、現時点でまつり自体は予定通りの実施に向けて準備が進められている。
お旅まつりは莵橋(うはし)神社(浜田町)と本折日吉神社(本折町)の春季祭礼で、曳山を継承する旧市街地の大文字、寺、龍助、西、八日市、京、中、材木8町のうち、当番町2町が3日間のまつり期間に、曳山子供歌舞伎を上演する。
曳揃えは当番町以外の曳山も見てもらおうと、1990(平成2)年に市制50周年を記念して始まり、まつり2日目に市役所前や小松駅前、交差点などで行ってきた。
市制80周年を迎える今年は5月16日に細工町交差点に8基を集結させ、当番町の西町と材木町が子供歌舞伎を演じる予定だった。
しかし、複数の関係者によると中町と材木町は初めて8基がそろわなかった昨年に続き、今年も曳山を出せない状況となっている。
お旅まつりでは、子供歌舞伎を担う当番町とは別に、莵橋神社の氏子町が神事を取り仕切る「大当番」があり、中町、材木町は今年の担当になっている。
大当番は、まつりで神(み)輿(こし)渡御(とぎょ)などの世話も務めなければならず、現状では曳山の組み立てや解体に十分な人手を割けないことなどが断念の要因という。
関係者の一人は「8基がそろわない事態が続くようなことは避けたいが、少子高齢化とあって容易ではない」とこぼした。
材木町は町単独での上演もできず、他町の協力を得て「八町こども歌舞伎」として舞台に臨む。まつり3日間のうち、初日と最終日はこまつ曳山交流館みよっさで上演し、2日目の曳揃えは八日市町の曳山で演技を披露する。
小松曳山八町連絡協議会は4月10日に市内で総会を開き、6基による曳揃えの実施方針を盛り込んだ事業計画を確認する方向だ。
協議会の事務局を務める市の担当者は「8基がそろうよう最後まで諦めずに働き掛けたい」と話した。
引用元:北國新聞社
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200331-00843810-hokkoku-l17