いよいよ新しい年の幕開け。そこでクランクイン!トレンドでは、清々しい1年をスタートさせるのにぴったりの京都の旅をご紹介。
「京都の冬は寒い…」と思われるかもしれませんが、空気の澄んだ冬は、京都の石庭を楽しむのに最適の季節! 石庭が美しい寺院をめぐりながら、充実のひとときを味わえるスポットをお届けします。
■初めての“石庭めぐり”におすすめ「大徳寺龍源院」
岩や石、砂でつくられた石庭は、“禅の心”を表現した日本庭園。近年、世界的に静かな禅ブームが巻き起こっており、豊かに生きるための気づきにあふれている枯山水や石庭も大きな注目を集めています。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンでは、石庭をわかりやすく解説した「禅めぐり帳」のついた、オリジナルプランも実施。
本企画でしか手に入らない「特別禅語御朱印」などの特典もついているので、こちらをお供にめぐるのもオススメです。
まず今回訪れたのは、一休さんゆかりの地とも言われている京都市北区の「大徳寺」。
京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院です。そのなかでも、「大徳寺龍源院」は趣の異なる4つの石庭を有する場所。
室町時代から昭和まで、時代もタイプも違う枯山水の庭がいっぺんに楽しめるので、「石庭めぐりは初めて」という人も、ぜひ訪れてみたいお寺です。
「龍吟庭」と呼ばれるお庭は、大海原を表した苔の中に点在する石組が印象的。
中央に突出する岩は、悟りの境地を表現しているといわれています。
「東滴壺」は、日本最小の石庭で、訪れてみるとその小ささに驚き!
しかしながら、どこか吸い込まれそうな魅力にあふれており、ずっと見ていたいような気持ちになってきます。
白砂の丸い波紋は一滴の水が滴り落ちた姿を表現し、「ちいさな行いも大切にせよ」と説いているとか。
石で“鶴島と亀島”を表現しているのが、「一枝坦」。「コ沱庭」には、聚楽第の遺構とされる阿吽の石があるなど、どこも見どころ満載。
また「大徳寺瑞峯院」へと足を運ぶと、キリシタン大名・大友宗麟の思いを汲んだ枯山水庭園として、十字架が石組みで表現された「閑眠庭」。
打ち寄せる荒波を小石で表した「独坐庭」を堪能。
こちらの庭を手掛けた昭和の作庭家・重森三玲さんの孫で、自らも作庭に携わる重森千靑さんは、「石庭は、抽象的な表現をしていることに意味がある。
禅問答をするにはぴったりの場所なんです」とコメント。
岩や石、砂など庭に込められた思いをどのように感じるのか…?
そう考える時間は、自分自身ともじっくりと向き合うひと時にもなりそうです。
「心が整えば、顔も整う」とは「瑞峯院」の和尚のお言葉。「なるほど!」と元気付けられ、ほっこりと心も温まるよう。
■石庭の奥深い魅力を堪能
続いて京都市右京区の「妙心寺 退蔵院」を訪問。白砂の「陽の庭」と黒砂の「陰の庭」が向かい合い、砂の色で、物ごとや人の心の二面性を伝えています。
また室町期の画家・狩野元信が作庭した枯山水庭園「元信の庭」も鑑賞。襖に描いていた絵を、庭にしたらどうなるのか?
そんなアイデアから作られたお庭で、画家ならではの美学が込められています。
主に植えられているのは、常緑樹。一年中変わらない“不変の美”を求めたとも言われています。
こちらで販売している、「ひと粒の禅」と名付けられた飴もオススメ!
瞑想効果のあるハーブ、退蔵院で採れた柚子オイルを使用した飴で、舌からも禅の世界を味わうことができます。
木々の揺れる音に耳を傾け、五感を駆使して石庭の魅力に浸ってみましょう。
スペシャルな体験をするならば、普段は拝観できない「天龍寺」の開山堂「臨川寺」と塔頭「弘源寺」、「東福寺」の塔頭「一華院」を訪れる「京の庭を楽しむ 非公開石庭めぐり」をぜひチェック!
3月15日のみのバスプラン(要事前予約)となるものの、京都屈指の観光地・嵐山を借景にした「虎嘯(こしょう)の庭」など圧巻の石庭を目にすることができます。
「難しい」「とっつきにくい」と思われがちな石庭ですが、捉え方は自由。
凛とした冬の空気の中、静かな時間を過ごしながら、お庭だけでなく、自分の内面までを見つめることができるのが、石庭めぐりの最大の魅力です。
「この石ってどんな意味?」と想像力を働かせるのも楽しく、ゆっくりと自然の恵みを感じていると、スッキリと心も晴れ渡るよう!
改めて新年にはぴったりの旅プランだと実感しました。写真もビシッと決まる1枚が撮れるので、ベストスポットを探しながら歩くのもgood。ぜひ冬の京都へお出かけしてみては。(取材・文:成田おり枝)
引用元:クランクイン!
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200111-00072767-crankinn-life