「お城EXPO2019」で人気を集めた諏訪原城の御城印やグッズ=島田市役所
全国各地で城巡りがブームとなる中、神社や寺で受ける「御朱印」のように登城の記念とする「御城印(ごじょういん)」の販売が急増している。
静岡県内でも浜松城や掛川城、駿府城、諏訪原城(島田市)などが相次いで城名や城主の家紋が入った御城印を製作。
自治体の観光PRにも一役買っている。
島田市は日本城郭協会が選定する「続日本100名城」にも数えられる諏訪原城跡(同市菊川)をPRしようと、本年度初めて御城印を作成。
2019年12月21、22の両日横浜市で開かれた「お城EXPO2019」で先行販売したところ初日の約3時間で400枚が完売し、追加分を含め計900枚を販売した。
市文化資源活用課の担当者は「壮大な山城としてファンの認知度が高いと知った」と驚く。
三日月堀と曲輪(くるわ)で構成する「丸馬出」をデザインしたグッズも製作し、御城印と合わせて1月11日から、諏訪原城跡ビジターセンターや市博物館で販売を開始する予定。
「御城印集めをきっかけに島田を知ってもらい、周辺の観光地にも足を運んでもらいたい」と期待する。
18年に御城印の販売を開始した浜松城の担当者は「御城印帳を持って訪れる人が多い」とブームの定着を語る。
掛川城は19年5月の改元を記念して販売を開始し「多い時で1日80~100枚売れる」(掛川城公園管理事務所)。
観光客の周遊を促そうと、戦国時代に築かれた掛川市内の三城をセットにした御城印も観光協会が製作した。
駿府城の御城印は県産ヒノキの突き板を使うなど素材を工夫。和紙の御城印と合わせて買い求める人も多いという。
■全国に180以上
お城の情報サイト「城びと」の編集部(運営・東北新社)によると、御城印は1990年ごろに長野県の松本城で頒布が始まった。
お城巡りに活用する「御城印帳」の販売や改元もブームを後押しして2018年以降右肩上がりに増え、現在180以上の城で御城印が販売されているという。
御城印の売り上げが城の修復に生かされる例もあり、郡上八幡城(岐阜県)など複数の城が一部を熊本城復興のために寄付。
島根、鳥取県では両県をまたいで複数の城を巡るキャンペーンを行うなど、広域観光にも生かされている。
引用元:@S[アットエス] by 静岡新聞SBS
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200107-00000027-at_s-l22