漫画家で小説家の折原みとさんは令和元年に伊勢神宮を初体験!

初詣に行く人にも参考になる「初心者による初心者のための伊勢神宮参拝ガイド」前編!

一生に一度はお伊勢さんへ

みなさんは、「伊勢神宮」を訪れたことがあるでしょうか?
日本人の総氏神にして、皇室の御祖神とも言われる「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が祀られているこの神社は、「日本人の心の故郷」とも言われている。

江戸時代には、「おかげ参り」と呼ばれる伊勢神宮参拝が大ブームとなり、「一生に一度はお伊勢さんへ!」と、国中の人が伊勢を目指して旅をしたこともあったそうな……。

そんな伊勢神宮だが、実は私、未だ一度も行ったことがなかった。

ずっと「行きたい」という気持ちはあったのだが、具体的に計画するまでには至らなかったのだ。

一説によると、伊勢神宮は「呼ばれないと行けない」という。

もしかしたら、今まで神様に呼んでもらえなかったのだろうか?

だが、令和元年も押し迫った12月、ようやく私にも「その時」がやってきた。

人生初の「お伊勢参り」が実現することとなったのだ。

百聞は一見にしかず……と言うけれど、やっぱり伊勢神宮はすごかった!

さすが、日本最大のパワースポット!!

めでたい令和初のお正月。

初参拝にして、すっかり伊勢神宮の虜となった私が、初心者なりにたっぷりと満喫してきた「お伊勢さん」の魅力と、実体験してみてわかったおススメの「歩き方」をご紹介したいと思う。

伊勢神宮のベテラン推奨「高速バス」で行く!

今回、友人3人と一緒の旅行だったが、そのうちのひとり、Mさんは何度も伊勢神宮を訪れているベテランだった。

彼女のおススメは高速バス。夜遅くに出発して朝早く到着するので、丸一日有効に使えるという。

しかも、神奈川県の自宅から新幹線と在来線を乗り継いでいくと、旅費が片道14000円ほどかかるのだが、高速バスならその半額程度でリーズナブル(バス料金は時期によって変わります)。

これに決まりだ!

高速バスは、東京や神奈川以外にも、埼玉や千葉など各地から出ているが、私の場合は横浜駅から乗車する。

出発は深夜の11時45分なので、早めに友人と落ち合ってバス乗り場へ向かった。

犬を飼っていることもあって、自家用車での移動が多いため、実は、夜行バスに乗るのも初体験。ワクワクする~~!

バスの座席は、思ったよりもゆったりしている。飛行機のビジネスクラスのシートくらいの広さで、カーテンを引けばちょっとしたプライベート空間になるので、なかなかに快適だ。

イメージしていたバスガイドさんのアナウンスも何もなく(そもそもガイドさんは乗っていない)、お菓子食べたり酒を飲みだす人もいない。

乗客たちは寝る気満々で静まり返った中、バスは粛々と伊勢に向けて出発したのだった。

途中、トイレ休憩が1回あったものの、バスの振動で気持ちよく爆睡しているうちに、いつの間にか朝!!
東名集中工事の影響で30分ほど遅れたものの、8時前には伊勢市駅前に到着した。

約8時間の乗車時間だが、ほとんど寝ていたので、あっという間に着いた感じだ。

乗り換えの手間もないし、寝ている間に着いてしまったから楽ちん! 確かに、高速バスはおススメだ。

とうとう降り立った、憧れの伊勢の地!

江戸時代には、江戸から徒歩で片道15日もかけてお伊勢参りに来たそうだから、バスでたった8時間で来られるなんて、いい時代になったものだ。

外宮内にある別宮、多賀宮。

お伊勢参りの基礎知識

ところで、ここで基本中の基本の情報を書いておこう。

「伊勢神宮」というのは、五十鈴川のほとりにある内宮(ないくう)こと、皇大神宮(こうたいじんぐう)と、伊勢市駅の近くにある外宮(げくう)こと、豊受大神宮(とようけだいじんぐう)を中心とし、伊勢市とその周辺にある125社の総称だ。

普通は「伊勢神宮」と呼ばれているし、親しみをこめて「お伊勢さん」と呼ばれることもあるが、正式名称はシンプルに「神宮」なのだそうだ。

今から2000年ほど前、天照大御神の御神詫によって、伊勢の地に内宮が作られた。

外宮は、それから500年ほど後、天照大御神の食事の支度をするために、豊受大御神(とようけのおおみかみ)という女神が呼びよせられて創られたという。

なんとなく、仕事の忙しいバリキャリ女上司が、ご飯を作る暇がないので後輩女子を近所に呼び寄せた……みたいなカンジがしないでもない。
ちなみに、この外宮には、伊勢中の神様たちが毎日食事をしに来るそうだ。

……社員食堂?

伊勢神宮参拝には、順序があるという。まずは外宮にお参りし、それから内宮だ。

もっと本格的に参拝するのなら、二見浦の二見輿玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)に行ってから、外宮、内宮に向かうといいと言われている。

古くは、伊勢神宮をめざす旅人たちが、この二見の海で「禊(みそぎ)」を行っていたからだ。

二見浦の夫婦岩

「禊」からスタート!

今回は、初めてだけに気合を入れて、二見から参拝をスタートすることにした。

しかし、二見は伊勢市駅から8キロほど離れている。JR参宮線で二見浦駅までは8分だが、本数が少ない上に、駅から二見輿玉神社までは少々歩く。

荷物を引きずってウロウロするのは面倒なので、サクッとタクシーで行くことにした。

伊勢市駅前から二見までは、タクシーで往復約8000円。ひとりだったらもったいないが、今回は4人旅なので、割り勘だったら2000円だ。

タクシーは事前に予約しておいたので、高速バスの停留所に待機していてくれた。

重い荷物もトランクに入れてもらって、身軽で二見浦に出発だ。

タクシーの運転手さんから地元情報をあれこれ収集しつつ、20分ちょっとで二見輿玉神社に到着。

おお、海が青い!

風も冷たく、波も荒いが、確かに心が洗われるような気分になる。

昔は海に入って心身の汚れをすすいだそうだが、とりあえず海風に吹かれて「エアー禊」完了だ。

海の上に突き出している大小の岩は、夫婦岩。

この二見輿玉神社は、縁結びや夫婦円満、交通安全にご利益があると言われている。

意外に地味な、外宮の入り口

ホテルでフォーマルウェアに「着替え」

さて、二見の海で俗界の汚れを落としたら、いよいよ「神宮」のツートップ、「内宮」「外宮」の参拝だ。

しかしその前に、やっておかねばならない「準備」がある。

タクシーで二見から伊勢市内にとってかえし、予約していた伊勢市駅近くのホテルへ。

チェックインは午後3時だが、荷物をフロントに預かっていただくことにした。

そして、参拝前の大事な準備として、ここで「着替え」をしなくてはならないのだ。

なぜわざわざ着替えの必要があるのか……?

その理由は後で説明するが、お伊勢参り4人組は、車中泊対応のラフな服装から、黒のスーツに礼服のワンピースという、キッチリ改まったスタイルに衣替えした。

さあ、まずは「外宮」にご挨拶だ。

「外宮」こと豊受大神宮は、伊勢市駅から徒歩5分ほどの場所。

伊勢市の中心部に、高倉山というこんもりした緑の山を背にして鎮座している。

前述したように、御祭神の豊受大御神は、天照大御神のお食事を作る御饌都神(みけつかみ)。

衣食住と、産業を司る神さまだ。

メインの正宮(しょうぐう)の他に、多賀宮(たかのみや)、風宮(かぜのみや)、土宮(つちのみや)という別宮3社と、摂社、末社、所管社10社が敷地内にたたずんでいる。

駅からまっすぐ伸びた外宮参道を歩いて大通りを渡ると、正面に第一鳥居が見えてくる。思ったよりは地味で、威圧感がない。むしろ、見た目は質素というか、わりと普通……。

思い描いていた「伊勢神宮」の荘厳なイメージとはちと違う?

これが特別参宮章

スペシャルな「正式参拝」とは?

しかし、一礼して鳥居をくぐると、フッと空気が変わった気がした。

清浄……とでもいうのだろうか?

周りを木々に囲まれているせいかもしれないが、少しだけヒンヤリとして、急に外界から切り離されたように、厳かな気分になる。

外宮でも内宮でも、まずは一番格式の高い正宮からお参りするのが、正しい参拝の作法だそうだ。

が、正宮に赴く前に、途中の神楽殿(かぐらでん)に立ち寄る。

この横の「御神礼授与所」では、お礼やお守り、御朱印を授かることができるが、とりあえず目当てはそれじゃない。「正式参拝」の申し出をするためだ。

「正式参拝」もしくは「御垣内参拝(みかきうちさんぱい)」とは、伊勢神宮に詳しい方ならご存知のことと思うが、一般の参拝よりもワンランク上の、特別な参拝のことだ。

一般の参拝では、正宮の御幌(みとばり)という白い幕の前で手を合わせるが、「正式参拝」では、 御幌の内側、普通では入ることのできない神聖なエリアに入らせていただくことができるのだ。

お伊勢参り初体験の初心者にして、なんと、私はこのスペシャルな「正式参拝」にチャレンジしようともくろんでいた……!!

正式参拝をするためには、まずは「特別参宮章」というものを手に入れなければならない。

「正式参拝」の「申し込み」はできない!

特別参官章の入手方法は2通りあって、ひとつは「伊勢神宮崇敬会」という神宮の奉賛活動を行っている団体の会員になること。

もうひとつは、御神礼授与所で寄付金をお納めし、そのお礼として参宮章をいただくことだ。

1年に何回も行くわけでなければ、2番目の方法が手軽でおススメだろう。1回限りだが、内宮、外宮両方で正式参拝をすることができる。

この寄付金というのは、20年に一度行われる式年遷宮(社殿の建て替えとお引越し)のために使われる「ご造営資金」だ。

タクシーの運転手さんに教わったことだが、御神札授与所に行って「正式参拝を申し込みたい」と言うと、「そんなものはやっていません」と、にべもなく言われてしまうという。

あくまで寄付のお礼という形なので、「ご造営資金を納めさせていただきたいのですが」と、申し出るのだそうだ。

金額(初穂料)は、最低が2000円と言われている。
「気持ち」なので明確には決まっていないが、3000円から5000円くらいが相場のようだ。

寄付金の額によって入ることのできる位置が変わり、10万、100万と奉納すると、だんだん御垣内の奥に入ることができるそうだが、初心者なので、まずは3000円くらいから……。

さて、首尾よく特別参宮章をゲットしたら、いよいよ正宮に参拝だ!

外宮の正宮は、華美さはなく、楚々とした穏やかなたたずまいをしている。

一般参拝の方たちが手を合わせている場所の左手に、宿衛屋があるので、ここで参宮章を提示するのだ。

外宮の正宮

「ホテルで着替え」の理由

が、問題は、この場所で服装チェックがあることだ。

正式参拝にはドレスコードがあり、「男性は背広にネクタイ、女性は男性に準じた服装」とされている。

私たちがホテルで着替えてきたのは、このためだったのだ。

だが、噂によると、この服装チェックはけっこう厳しく、スーツや黒のワンピースでも、不適切と見なされると門前払いになってしまうらしい。

その判断は宿衛屋にいる禰宜(ねぎ)さんがするので、OKが出るまでは心配だ。

もっとも、私の場合はお葬式にも着られるブラックフォーマル着用だったので間違いはなかった。

4人とも無事に服装チェックをパスし、一列に並んで禰宜さんに塩でお清めをしていただく。

そして、いよいよ未知なる聖域へと!

そこで感じた、伊勢神宮のパワーとは……?

ドキドキのお伊勢参り初体験記は4日公開の後編に続きます!

 

引用元:現代ビジネス
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200103-00069576-gendaibiz-life&p=1