本庄の「日本(にほん)神社」(本庄市児玉町小平)の初詣はコロナ禍で例年に比べて減少傾向だが、スポーツ関係者のお礼参りの参拝客が目立った。(本庄経済新聞)
同市小平地区は小山川と上武山地に挟まれた地域で、集落は東小平と西小平に分かれる。
同神社は西小平の中央にある小高い山(標高200メートル)の頂に鎮座する。
社伝によると、791年に坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が蝦夷(えぞ)平定の途中に立ち寄り、神武天皇を祭って戦勝を祈願し、無事平定の後、建立したのが始まりとされ、当初は「神武神社」と呼ばれていたという。
「西小平にも石神神社に匹敵する大きな神社が欲しい」という地元住民の要望から、1874(明治7)年に西小平に鎮座する6社を同神社に合祀(ごうし)して「合社(ごうしゃ)様」と呼ぶようになった。
そして140年前の1881(明治14)年、「日本神社」と改称し現在に至る。
「日本」と名の付く神社は、神社庁に登録されている全国の神社では同神社のみ。
「日本唯一の社」として同神社はスポーツ関係者らが必勝祈願に訪れる神社となった。
2010(平成22)年のサッカー・ワールドカップで、児玉商工会青年部が青いだるまに祈念を込め代表チームに贈って以来、日本女子サッカー代表チーム、オリンピックに出場した三宅宏実選手など、スポーツ関係者が頻繁に参拝に訪れ「必勝祈願」を行うようになった。
同神社への登山道口にある「新井商店」(小平)は元々、地元住民向けに菓子・食料品・雑貨を扱っていた。
新井裕典(やすのり)さんの母親が昭和30年代に始めた同店だが、現在は母親が体調を崩していることから、裕典さんらが週末のみ店を開けて参拝客を迎えているという。
同店では日本神社のだるまを展示しているほか、ミニミニだるま(500円)、ミニだるま(1,000円)などの青だるま・御朱印(300円)・お守り・絵馬などを販売している。
新井さんは「今年は、元日の午後から参拝客が増えたが、元日と2日は例年と比べると3分の一くらい。3日には例年の半分ほどの参拝客だった」と話す。
「日本神社への初詣客には、新規参拝客よりお礼参りを目的とした参拝客が目立つ」とも。
旧児玉町(現、本庄市児玉)は元々サッカーが盛んで、地元住民が必勝祈願を行っていた同神社。
新井さんもサッカー少年で、今は週末の午前中には地元でサッカーの指導者をしているという。
「SNSで日本神社の名前が拡散したことがきっかけで、神社の名前にちなみ、スポーツ選手が必勝祈願に訪れる神社になった」と新井さんは振り返る。
「新型コロナウイルス感染対策を万全にして参拝してほしい」とも。
同神社に初詣に来た市内在住の50代男性らは「密を避ける意味で、初詣客が少ないと思われる夕方の時間帯に日本神社を初めて訪れた。
新型コロナが一日も早く収束するよう祈った」と話していた。
引用元:みんなの経済新聞ネットワーク
https://news.yahoo.co.jp/articles/8657ed6b913328908665bfb8d7629c5c4da0762a