少数の参列者で営まれた神事(3日、和歌山県みなべ町埴田で)

 和歌山県みなべ町埴田の鹿島神社(亀井隆行宮司)で3日、明神祭の神事が営まれ、祭主の亀井宮司が新型コロナウイルス感染症の鎮静も合わせて祈願し、社の入り口に「流行疫病退散」の立て看板を掲げた。2日は地元、埴田区の役員らも南部湾の鹿島にある本殿に行き、島内神事で感染症の終息を願った。

 鹿島に鎮座する鹿島大明神の霊験により、地元民は江戸時代にあった津波の被害を免れたとされ、古来住民が守られてきたという言い伝えがある。その感謝の祭礼として明神祭を例年5月3日に同島内で執り行い、夏には奉納の花火大会を催している。

しかし、今年は新型コロナウイルスの感染症予防対策で参列者が集まることを避けるため、鹿島での式典とみこの舞を取りやめた。

代わりに埴田の鹿島神社で神事を執り行い、葛城知則総代長(81)ら責任総代計4人のみ参列して亀井宮司(46)が祝詞を上げた。

亀井宮司は「今後も津波などの災害からの守護と町の繁栄を祈った。また、虫が飛び去るごとくウイルスがなくなり、鎮静して一日も早く穏やかな日に戻るようにも祈願した」と話した。

葛城総代長は「海が荒れて鹿島に渡れないことはあったが、こんなに少ない人数で執り行ったのは戦後初めて。予期せぬことでショックだ。早く終息して元の生活に戻るように努力していきたい」と話した。

2日は、亀井宮司や神社関係者、埴田区の森下秀夫区長(59)や役員、町議ら少数で島に渡り、島の本殿で神事をした。

森下区長は「鹿島の神が江戸時代の大津波から地域を守ったという言い伝えがあり、今回は特別な思いで、感染症が早く終息するよう祈った」と話した。

埴田区の人らは、県や環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種になっているオオタニワタリ(チャセンシダ科)を約30株植えた。株は町内や田辺市の人から無償で譲り受けたという。

かつては島に自生していたが、絶えかけていたため、復活するように同区で植え続けており、増えてきている。

 

引用元:紀伊民報
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200504-00002826-agara-l30