明智光秀が描かれた繁昌院の御朱印。大河ドラマ「麒麟がくる」を記念して作られた(同院提供)

戦国武将明智光秀が築城した福知山城がある京都府福知山市の小さな寺院「繁昌院」(真言宗・醍醐派)で作成された御朱印に描かれる光秀が「かわいい」と、人気を呼んでいる。

 NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の放映開始を記念した縦17センチ、横22センチの御朱印は通常の御朱印の倍近い大きさ。上田希真住職(34)の妻で大学時代に美術を勉強した慶子さん(28)がデザインした。

イラストはお参りに来た光秀が手を合わせた姿と同寺の地蔵尊と福知山城、明智家の家紋の桔梗(ききょう)が描かれ、真言宗の重要な「光明真言」と、「光秀」にちなむ「光明」という文字を入れている。イラストの光秀は、主君の織田信長を襲ったとは思えない穏やかでふくよかな顔になっている。光秀役の俳優長谷川博己にもあまり似ていないようだが、思わぬ人気は史実とのアンバランスが受けたのか。あるいは、光秀の内面の心の優しさが具象化しているからなのか。

地蔵尊は境内に安置されている四国八十八カ所霊場の石仏がモデル。上田住職は「当寺の石仏は廃寺となっている市内の大仙院に祭られていたが、大仙院には『福知山城のお殿様も参られた』の言い伝えがあり、光秀も手を合わせた石仏かもしれません」と話す。

1月19日の初回放映の直後から一枚一枚、慶子さんが手書きしたものを1枚千円で参拝客に授与を始めると、関西地方だけでなく関東方面などからも参拝者が訪れるようになったという。「インスタグラムやSNSから御朱印の画像が拡散され、ネットで知って来る人が多い」と上田住職。

ただ3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の影響で参拝者は減っている上、まだ感染が拡大する前に取材された紹介記事が4月7日付の地元紙に載ると「遠出が自粛させられているこんな時期に御朱印で参拝者を増やすとはけしからん」などの批判もあったとか。

上田住職は「福知山でも一番小さく、参拝者もほとんどなかった寺にたくさん来てくれてうれしかったが、緊急事態宣言で自粛が続く中、御朱印の授与をすすめているわけではありません。コロナウイルスが収まってから来ていただければ」と話す。

 御朱印はもともと参拝者が寺院で帳面に判を押してもらうものだが、スタンプラリーに近い感覚で若い人に人気が出ている。福知山城でもスタンプの御朱印を提供している。繁昌院では通信販売などはなく、来てくれた人への直接授与のみだ。

 繁昌院は1930年に福知山市の別の場所で開創し、2002年に現在の地(福知山市堀)に移った。これまで御朱印はなかったため上田住職が始めた。「ひょうたん寺」としても知られる繁昌院では、瓢箪(ひょうたん)をモチーフにした6種の御朱印も授与している。6種類集めると、六つの瓢箪=六瓢(無病)=となり、縁起が良いとされる。

明智光秀は謀反者、主殺し、のイメージも強く「麒麟が来る」は異例の主人公抜擢(ばってき)ともいえる。現在、NHKは新型コロナウイルスの影響で収録自体も進められず、先の放映継続が心配されている。上田住職は「今は日本も世界もコロナウイルスの対策に全力をあげて下さっている時。邪魔にならぬよう、また微力ながらお力になれるよう、精進したい」と話している。

 

引用元:AERA dot.
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200420-00000068-sasahi-life