約800年の歴史があると伝わる和歌山県古座川町小森川の神玉神社で5日、例祭が営まれた。
「鯛(たい)釣り」「猿追い」「芋洗い」などユニークな神事があり、町内外から人が訪れた。

同神社は、12世紀後半、平家の落人が熊本県から町内に勧請したという伝説がある。
1630年に小森川奥の奥番という集落に移転されたが、廃村となったため、1942年に現在の場所に移された。
天児屋根命(あめのこやねのみこと)と諏訪大神を祭っており、毎年12月5日に例祭が営まれている。

小森川地区には現在、野口晃さん(89)と妻たつゑさん(81)しか住んでおらず、祭りは地区出身者や地域外で暮らす子や孫、ボランティアらが協力して続けている。
祭り番を務めていた晃さんの体調不良のため、昨年は中止も検討されたが、息子の貢盟さん(57)=串本町潮岬=らが神事の内容を知る小森川地区出身の水口久さん(92)=古座川町池野山=に協力を依頼し、中止を免れた。

祭りは午前10時から始まり、井谷正守宮司(65)が釜に入った湯にササを入れてかき回し、参列した氏子たちに湯をかける「湯立神事」を営んだ後、祝詞を読み上げた。
参列者が神前にサカキを供えた後、「鯛釣り神事」があり、さおを手にした水口さんが、赤、白、黒の鯛の形をした板3枚を釣り上げ、腰に付けた籠に入れ「三九(さんく)27匹釣った」と言うと、参列者が「大漁、大漁」と声を上げた。

弓で矢を2本放って1本を宮司に預ける「鳥追い神事」、芋を洗うまねをする「芋洗い神事」、宮司を先頭に境内を反時計回りに3周して社務所に向かって柿の種を投げる「猿追い神事」の後、餅まきで締めくくった。

この日の神事は、町内の宿泊施設経営者らでつくる「古座川街道やどやの会」が企画したツアー参加者23人も見学した。

祭りの進行役を務めた貢盟さんは「皆さんの協力のおかげで、何とか継続できている。できる限り続けていきたい」と話した。

 

引用元:紀伊民報
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191206-00001810-agara-l30