盲導犬育成、御朱印で支援 寄付金集め難航で宇都宮の神社が協力

 

御朱印で盲導犬の支援を――。

新型コロナウイルスの影響で寄付金が集まりにくい盲導犬協会を助けようと、宇都宮市の今泉八坂神社が東日本盲導犬協会(同市福岡町)とコラボし、オリジナルの御朱印を作製した。

目の不自由な人も読めるよう点字付きになっており、企画した同神社の葭田(よしだ)真彦祢宜(ねぎ)(46)は「盲導犬について考える機会になれば」と話している。

協会によると、盲導犬の育成は9割以上が寄付金などで賄われている。10頭訓練しても、実際に盲導犬として活動できるようになるのは2~3頭で、1頭を育てるためには約500万円かかるという。

例年はイベントを実施して募金への協力を呼びかけるが、昨年は新型コロナの影響でほとんどが中止になり、苦境に陥っていた。

同神社は犬好きの宮司が個人的に寄付をしていた縁で、15年以上前から協会と協力して、毎年正月に境内でグッズ配布や募金活動をしてきた。だが今年は新型コロナの影響で人出が減り、正月の寄付額も例年より少なかった。

そんな現状を聞きつけたのが葭田祢宜だった。「神社として何か助けになれないか」。

普段、動画投稿サイト「ユーチューブ」やツイッターなどを駆使して情報を発信する「アイデアマン」の頭に浮かんだのが、オリジナルの御朱印だった。

協会監修の下で完成した御朱印は、協会のPR犬がデザインされ、かわいらしい仕上がりになった。人と犬の足跡が並び、「共に歩む」などの力強いメッセージもこめられた。

「イマイズミ ヤサカジンジャ」と、神社名を記した点字のシールも貼られており、視覚障害者が読み取りやすくなっている。

500枚作製して15日から頒布を始めたが、好評で既に約300枚が売れているという。

頒布初日の15日には、協会のPR犬2匹も同神社を訪れた。

春の陽気についまどろむ場面もあったが、出来上がった御朱印を参拝客にアピール。

協会の訓練・広報グループの久野さやかさん(35)は「盲導犬という言葉の認知度は高まったが、飲食店などでの正しい受け入れはまだ進んでいない。

盲導犬は障害者の体の一部。

これを機に、盲導犬や障害者への理解が深まることにつながれば」と話した。

御朱印は1枚800円で、収益の一部を協会に寄付する。

頒布期間は5月16日まで。

当初は500枚限定としていたが、追加の作製も考えているという。

 

引用元:毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3b90f4362534288315bf2f920b0038caa7035c8

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる