仏像を安置する「仏間」でカフェ開業の準備を進める波並さん夫婦=窪1丁目

満願寺山にあり、天狗(てんぐ)をまつる神仏混交の寺「九萬坊大権現(くまんぼうだいごんげん)」(金沢市窪1丁目)に今春、「寺社カフェ」がオープンする。仏像を安置する建物を改修し、地元の夫婦が3月初めの開業を目指す。

標高176メートルの山からは気象条件が良ければ加賀平野や宝達山を望むことができ、眺望スポットとしても知名度を高めたい考えだ。

天台眞盛(しんせい)宗満願寺山九萬坊大権現は、鳥居があるなど神社の特徴が際立つたたずまいで、神殿に天狗のご神体がまつられ、山頂の「奥の院」まで石の階段で結ばれている。

住職は西方寺(さいほうじ)(寺町5丁目)の田畑智海(ちかい)住職(53)が兼務し、田畑住職の母・大島章子(あやこ)さん(85)が九萬坊大権現の境内に住んで、日々参拝してきた。

田畑住職によると、参拝者の高齢化が進み「信仰が続かずに廃寺寸前の状態になっている」という。

境内に草が生い茂るなど高齢の大島さんだけでは手が行き届かない状態を見かね、そばに住む県立大嘱託職員の波並(はなみ)司さん(61)=窪1丁目=が2018年秋から自主的に草刈りを始めた。

波並さんは妻ふみ子さん(61)と共に、訪れた人が山頂まで登りやすいよう、こけむしていた階段を掃除し、手すりも寄進で新設した。

活動を続けるうちに愛着が湧き、昨年、開山100周年を迎えたことを機に、もっと多くの人に参拝してもらおうと、休憩スペースとしてカフェを開くことにした。

カフェとなる「仏間」は、窪地区に住宅地が開発された昭和40年代に集会所として建てられたといい、近年はほとんど使われていなかった。

開業に向けて水回りを改修し、ふみ子さんは能登町藤波の実家からコーヒーカップなどを載せる赤い御膳を持参。

「加賀と能登を一つにする」をカフェのコンセプトに掲げ、能登の祭りをイメージした赤い打ち掛けや、手取川を思わせる絵を飾る計画だ。

メニューは、コーヒーや抹茶、加賀棒茶、自家製ハーブティー、ぜんざいやケーキなどを用意する。

波並さんは「金沢を見渡せる良い場所で、もっと光を当てたい。山好きな人も遊びに来てほしい」と期待を込め、ふみ子さんも「晴れた日に木々の隙間から見える夕日が美しい」と目を細めた。

 

引用元:北國新聞社
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200108-00814909-hokkoku-l17