蕪嶋神社の宮司らとともに海に向かい黙とうする参拝者=11日午後2時46分、八戸市の蕪島海水浴場
東日本大震災から9年となった11日、青森県内では震災の記憶を風化させまいと、津波被害を受けた沿岸部などで市民らが鎮魂の祈りをささげた。
八戸市鮫町の蕪島海水浴場では鎮魂祭が行われ、地震発生時刻の午後2時46分に合わせて地域住民ら約30人が太平洋に向かって黙とうし、犠牲者を悼んだ。
蕪嶋神社の仮社務所で神事が行われた後、冷たい浜風が吹く同海水浴場の砂浜に祭壇が設置された。
2015年11月の火災で焼失し、再建工事が完了した同神社の新社殿が蕪島の頂から見守る中、神職が祝詞(のりと)を奏上した後、関係者が玉串をささげた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年より参加者は少なかったが、市民らは9年前の震災に思いをはせながら太平洋を見つめ、手を合わていた。
同市鮫町の向谷地和子さん(74)は「自宅に被害はなかったが、小さいころから見てきた沿岸の景色は一変した」と当時を振り返った上で「もの(ハード面)の復興はだいぶ進んだ。
これからは心の復興目指して前を見て生きたい」と語った。
野澤俊雄宮司は「亡くなった人を弔うのが生きる人の役目。
あっという間に時間がたったが、震災の記憶を風化させてはいけない」と述べた。
引用元:Web東奥
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-00000006-webtoo-l02